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「君は、人の為に惜しみなく働く。見返りも何も期待せずに。誰に頼まれずとも、君は一人暮らしの竹さんちに寄っては何かしら手伝い、藤本さんと一緒に浜辺でゴミを拾う毎日……。皆、口には出さないけど、君のことが大好きなんですよ」
そうなのか?
竹さんは図々しくも翌日の手伝いを要求してくるし、ちょび髭藤本は石原さんの腰を眺めるのが趣味みたいだからそのいやらしい視線から俺は腰を守っているだけなのだが。
「そんな可愛い君と4年も一緒に居て、好きにならない筈はない」
石原さん……。
その天然に愛を語る体質、なんとかした方がいいですよ。
「そんな可愛い弟分の君を撃てるはずなく、飯田鐵はとっさに外そうとしたのかもしれません。でも、運悪く……銃の扱いが下手過ぎて、結果として君の右太腿を撃ってしまった……そう考えられなくはないですか?」
石原さん……。
もう、俺の右太股の心配はいいです。寧ろ、俺の中心にぶら下がる太いものの心配をしてください。
「都内より飯田鐵と立石麻里が自供したと連絡がありました。二人ともケンとの関係を否定しています。二人には、示し合わせる時間なんかなかった筈なのに」
一瞬、ドキリとした。
だいぶ前に俺は石原さんに、自分のやったことを白状してはいるんだけど、二人して俺なんかを庇った訳か。
二人の俺を庇う気持ちが嬉しい。
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