BANKEN番外「冬、来たりなば」

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「やばいな……。僕は飯田鐵に嫉妬しているみたいだ」  ヤバイのは、こっちです。  がんばれ、俺の理性。 「僕は……君が飯田鐵と過ごした4年という歳月に嫉妬している。君はここに来て、まだたったの2ヶ月足らずだ。……数字的に思いっきり負けてますよね」  それ、反則だから。  今、どうしてそんな事言うの?  少し寂しそうな石原さんのメガ可愛い顔に、俺は抱きしめたくなるような感情を必死で抑えた。 「でも、それはこれから伸びる可能性もありますよね? 君がここにもう少し長くいてくれる可能性がありますから、過ぎた4年に嫉妬しても仕方ないですよね?」  強がって微笑む石原さんの笑顔がギガ可愛い。 「……ずっと一緒に居るよ」  俺は既にぶら下がってなどいないそれから気を逸らすよう、ようやくそう答えた。 「……嬉しいな」  と言う石原さんの笑顔がテラ可愛い。  空が白む。 (漁村の朝は早いんだ。みんな、起き出しているんだ。朝から、駐在所で石原さんにいけない声を出させるわけにはいかないんだ)  猛る股間を説得する。 「そうだ。今度、休暇を取って一緒に温泉にでも行きませんか? 君の傷を癒す事もできると思いますよ」  やっと石原さんは俺の太股を撫でるのを止めてくれた。  だが、時既に遅く。 「お」 「お?」  石原さんが聞き返す。 「お、……温泉まで待てないーっ!」  俺は石原さんに飛びかかってしまい、それに驚いた石原さんに見事巴投げを決められてしまったのは、言うまでもない。           -了-
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