俺、とんでもない男に出会う

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俺、とんでもない男に出会う

日本を出発し、アジア乗り継ぎで20時間もかけ、やっとの思いで首都バハードに到着する。F国で通じる言葉は、主にF国語とロシア語。元ロシア、ということもあってロシア語はF国内の市街地ならどこでも通じる。ワールドスタンダードの英語は極端に通じる場所が限られていた。 当時、俺が唯一話せる外国語は英語だけで、空港でさえもろくに言葉が通じない。ただでさえ前情報のない旅で不安だったところに更に不安が積み増して行く。 極度の不安に陥っているとき、知らない言葉で袖をぐいぐい引っ張る、押し売りタクシー運転手たちと遭遇した。やっとの思いで振り切って逃げた俺を、にこやかに出迎えたのがF国オフィス・通訳担当のロシア人、ダーチャだった。 銀髪で、誰も否定しないレベルの美形で、185cmを超える高身長で。初対面の印象は非常に良かった。 初対面だけだった、とも言うのだが……。
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