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俺、美しい街と出会う
ダーチャが運転する車は無情にも、バハードの中心部に着いてしまう。
荒地に囲まれながら、雄大な河川や湖沼に恵まれたバハードは、古代シルクロードの交易地として栄え、「青の都市」と呼ばれている。ブルータイルで彩られた美しいモスクや霊廟、遺跡や、青々とした反射光を放つ鏡貼りの近代ビル群は目を見張るほど美しかった。その青い建物の多さが二つ名の由来だ。
15世紀に建造された、ドーム型の礼拝堂を擁する巨大なブルーモスクはこの国の主要な観光地で、この街のシンボルでもある。
カラフルな織物が立ち並ぶ屋台はもちろん、名産のドライフルーツやフルーツワイン、巨大なノン(パン)から金細工、果ては家具やエキゾチックな羊毛絨毯と言った、大物まで扱う商店がひしめくバザールなど、当時の名残を思わせる場所が其処彼処にあって、ひとことで言えば、エキゾチックな街だった。
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