第一章 元老龍が語る龍の存在

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第一章 元老龍が語る龍の存在

「トーシャじーさん。龍の存在を世に広げるために、まずはオイラみたいに存在を知ってもらうことが大事だゾ。説明できるカッ?」 「大丈夫だ。これくらいなら最近多くの本が出回っているからいくら龍の記憶が吹っ飛ぶくらい消滅していても答えられる!」 前世が龍だった以上、龍の存在を自分で語る必要があった。 しかし、問題は龍の存在を語るために、文章で伝えるのか、音声で伝えるのか、はたまた動画で伝えるのか悩んでいた。 「とはいえ、俺とクオーレは別次元で生きている関係上、クオーレは人の文字を書くことはできないし、人のように音として伝えることもできない。ましてや映像に映し出すこともできないな~」 「どうしたの?」 「あっ!クオーレ。アンタはどんな形で出演したい?」 「トーシャじーさんが好きな方法でオイラを演出させることができればいいゾ。ただ、実体を映したり、世の人に向けて音声を発したりするのはできないゾ」 「う~ん・・・」 こうなると、選択肢は1点に絞られそうだ。 「じゃ、文章にして伝えよう。これならクオーレの音声も書き起こしていけるし、いちいち撮影機材をそろえる必要もないし、お手軽に人々に伝えることができそうだ。住む次元が違えど、俺がクオーレの言ったことをしっかりと人々に伝えられるよ」 ということで、文章で伝えることにした。 しかし、ここでもまた壁にぶつかる。 文章で伝えるにしても、書籍からブログ、SNSなど多くの手段が考えられる。 「問題は、文章で伝えるにしても、どれがいいかな?」 この問いに対して、クオーレはこう答えた。 「トーシャじーさんの本がいいナ。だって、前はツイッターの履歴から本を書き起こしたでしょ。それをもっと生かそうゼ」 そうだ。前作はツイッターの履歴から小説を作り上げたことがあった。そうなると、今回も書籍として残すことにしたのだった。 「そうだな。せっかく前作の経験もあるわけだし、書籍として残そう。九頭龍様も大喜びだと思うし・・・そういえばガガみたいに本に出られたらいいなと言っていたアンタの願いも叶えてあげられそうだな」 「よ~し♪トーシャじーさん。オイラの言ったこともしっかり文章に残してくれるカッ?」 「もちろんだ!それじゃ、早速取り掛かろう」 「アイアイサー!」 ということで、書籍にして龍の存在を世に広げることにした。
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