初めてのバイクデート

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初めてのバイクデート

「どうしたんや、寛子。 豪勢なお弁当こしらえて 友達と花見に行くんか?」 「今度、お母さんにも会わせるね」 「気をつけていきや」 寛子は大阪で両親と暮らしていた。 この時4月で桜が満開になっていた。 寛子は、武志との待ち合わせで 夙川駅に来ていた。 いつものように改札を出た時、 武志はバイクを止めて待っていた。 「今から須磨に行こう」 武志は寛子にヘルメットを手渡した。 「私、バイク乗るの初めてよ」 「心配すんなって。 オレの運転を信用しろって」 武志は、寛子を自分のバイクに乗せると バイクのエンジンをかけた。 「今から須磨まで跳ばすからな。 しっかり、つかまってろよ」 武志は寛子を乗せて須磨浦公園まで バイクで走っていた。 須磨浦公園に着いた二人は 山頂に行って桜を眺めていた。 寛子は、手づくりのお弁当を 武志と一緒に食べていた。 武志は、寛子のつくった弁当に喜んでいた。 「寛子の料理、最高だぜ。 筍とフキの煮物うまい」 「よかった」 「それにえんどう豆のおにぎり、 オレの大好物なんだよ」 「喜んでくれてうれしいわ」 「寛子、これからも仲良くやろうな」 「こちらこそ」 武志にとって寛子は憧れの女性であった。 だからこそ、交際が始まったことが 武志にとってうれしいことであった。 「夙川の桜もいいが、 須磨の桜も眺めがいいな」 「武志、ステキな場所に 連れて行ってくれてありがとう。 あなたと出会えてよかった」 寛子にとって、武志と出会ったことは 幸せなことであった。 「寛子、山を下りたら海を見に行こうぜ」 「海、いいわね」 武志と寛子は、仲良く山を下りた。 山を下りた二人は、 そのまま須磨の海岸に来た。 須磨の海岸に到着した時、 地平線から太陽が沈もうとしていた。 太陽が沈んで星空に変わろうとした時、 武志は寛子を抱きしめてキスをした。 「寛子、これからはオレを 一人の男として愛してくれ」 「武志、あなたに寄り添っていきます。 あなたと共に生きていきます」 武志と寛子は、星空になった浜辺で 生涯と共にすることを誓っていた。
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