結婚&双子の顔面偏差値!?

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 私は、呆れながらため息を吐いた。 仕方がなく課長が帰って来るまで、しばらく待っていた。  課長の事を最近“誠さん”と呼ぶようにした。 そう言ってもさっきみたいに驚いたり、うっかりしてると課長呼びに戻ってしまうけど。  ちなみに……課長は“菜々子“と呼んでくれている。 何だかくすぐったくて嬉しい。  しかし、しばらく経ってもまだ課長が帰って来なかった。 一体どこまで行ったのだろうか? 「パパ遅いでちゅねぇ~」  まだ声が聞こえる訳ではないと思ったが、お腹の子に話しかけてみた……。  課長が帰って来たのは、それから30分過ぎた頃だった。大荷物を持ってだが……。 「誠さん、何を買ってきたんですか?」 「あぁ、これか」  課長は、そう言うとダイニングテーブルに行くとドサドサっと大量の本を出してきた。ほ、本!?  私は、驚きながらも手に取ってみることにした。 育児本からマタニティー本などがたくさんあった。 「正しい子育て方にニコニコファミリー。 あ、これなんて名前の姓名判断だわ!?」  えっ!?これ……全部参考書なの? しかも、こんなにたくさん買ってくるなんて……。  唖然としていると課長は、何だか満足そうだった。 「親になるならこれぐらい読んで勉強しておかないとな。  子供の教育は、親次第で決まる。 やるからには、プロを目指すぐらいの気持ちでやるべきだ!  ほら、菜々子もこれ全部読んで知識を学んでおけ。 言っておくが手抜きは、許さんからそのつもりで極めろ」  か、課長……プロってあなたは、何を目指す気ですか!? プロの保育士か、子育てのプロフェッショナルでもなる気かしら?  課長の完璧主義のスイッチが、どうやら入ってしまったようだった。  妥協を許さない性格だ。 やるからには、完璧にやる気だろう。  そうなれは、私も求められる訳で……勘弁してほしい。 「おい、聞いてるのか!?」
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