1人が本棚に入れています
本棚に追加
それから私は、文化祭で図書室を開けてなにかしたいということをみんなに伝えた。
「それなら、一人一冊おすすめの本を展示するコーナーを作るっていうのはどう?エピソードとかコメントも書いてさ」
「えー!それだと物足りないっていうか、ありきたりじゃん。だから、総合学科ならではの絵本の読み聞かせとかいいんじゃない?保育専攻してる生徒いるし、これなら小さい子が来ても楽しめるんじゃない?」
「あっ、それいいね!思いつかなかった!」
着々と意見が出てくる。委員長だから、一人で頑張らなきゃいけないって思ってた。でも、違ったんだ。みんな、支えてくれてた。
「ねぇ、委員長はどう思う…って、なに泣いてんのー」
そばに来た同級生の細川さんの言葉で、私は自分が涙が止まらないことに気づいた。
「ご、ごめん。嬉しくて…」
「謝るなら、もう一人で抱え込まないでよね。私たちのことも頼っていいんだから、無理しないでね」
「うん、ありがとう。文化祭、楽しもうね!」
彼女の優しさに私は笑顔で答えた。先生たちは顔を見合わせて安心したように微笑んでいた。
階段から落ちるとわかったとき、このまま死んでもいいと思った。
でも、ここには私を心配してくれる人がいる。支えてくれる人もいる。私と関わることで変わることができる人がいる。背中を押してくれる人もいる。
私の居場所はここにある。
最初のコメントを投稿しよう!