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充分に濡れたそこを割り、指を入れた。熱い内側を擦れば、花さんが身をよじらせた。優しく掻き混ぜ、指を増やしていくにつれ、開いた口から漏れる声が甘さを増していく。
その艶っぽい姿に魅入られていると、恥ずかしさに耐えきれなくなったのか、先ほど手でそうしていたように今度は目元を隠してしまった。絶えず唇を重ねているので、声は部屋の中に響いたままだ。
可愛い、本当に可愛い。なるべく優しく、痛い思いをさせないように。そう自制しながらも、膨れ上がる欲を止めることなど出来なくて、中を掻き乱しながら親指で固くなった突起を押しつぶした。途端に高い声を上げ、逃げるように身をよじる。
「花さん、かわいい」
「やぁ……っ、あ、あぁっ」
ぐいぐいと強く擦り上げ続ければ、ぎゅっと中が締まり、細い腰がびくんと跳ねた。
僅かに痙攣するそこから指を抜き取り、荒い呼吸を繰り返す口にキスをする。ずっと唇を重ねていたせいか唾液が垂れ、それを舐めとって再び吸い付いた。
目元を隠したままなのが気になって、そっと手に触れた。解いたそこから覗いたのはイッた直後のなまめかしい姿で、ドクンと心臓が大きく揺れる。
濡れた瞳が、薄く開いて俺を見る。初めて見る表情が、姿が、たまらなく愛おしくて思わず抱きしめた。
「ん……」
呼吸を繰り返しながら、そっと手が背中に回される。お互いの体温が密着している部分から混ざり合っていくようで、心地よい。このまま離れたくない。
上がった息が落ち着いてきたのを見計らって、僅かに身体を持ち上げた。耳に、こめかみに、唇で優しく触れていく。
「くすぐったい」
おかしそうな声音で花さんが言う。
「花さん」
「ん?」
いい? と耳元で聞けば、吐息のような返事が聞こえてきた。窮屈さも限界になっていたズボンに手をかけ、そういえばこっちも相当雨に濡れていたのだったと思い出す。見ればベッドに派手に染み込んで、それ以上に刺激的な花さんの肢体が目に飛び込んできた。
「葵くん、待って」
俺の感情とは反対に、その声はどこか冷静だ。
「……電気」
「えぇ……」
どうやら諦めていなかったらしい。
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