白銀の暴威

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 反射してくるってんなら反射できねぇぐれぇの霊力で。無効化してくるってんなら無効化しきれねぇぐれぇの霊力で。  テメェがクソみたいな反則で攻めてくるってんなら、こっちは霊力のゴリ押し。ただの反則が、パワーに劣るってことを教えてやる。 「死ねぇ!!」  次は右腕に霊力を全集中。ぼごん、と右腕の筋肉が隆起し、赤黒い鱗から青白いオーラが漂い始める。  霊力で馬鹿みたいにドーピングした、渾身の右ストレート。やろうと思えばこの広大な庭ごとテメェをぶっ壊せる。その思いをこれでもかと詰め込んだその右腕は、ものの見事に裏鏡(りきょう)の体の中心へクリーンヒットする。  裏鏡(りきょう)は既に俺の肉体能力の変化、急加速の接敵に対応できてない。棒立ちのアイツに右ストレートをブチこむなんざワケないことだ。でもこれだけじゃ終わらねぇ。 「次は左ィ!!」  右の次は左。全く捻りのないその言葉に、左腕は筋肉隆起で答えた。右腕のときと同様、大量の霊力をブチこみ、筋力を極限までドーピングする。  右腕による渾身の右ストレート、そのただの一撃で終わらせる気はねぇ。右が終われば左。左が終われば右。といった具合に、極限の一撃を連続で、絶え間なくブチこむ。  さっきも言ったように俺の霊力はほぼ無尽蔵だ。消費を気にする必要なんてないし、今まで気にしたことなんざ一度もない。湯水のように無駄遣いしてもなくならねぇ俺だからこそできる、一種の反則技だ。  もしこれがスポーツかなんかだったら即刻反則負け案件だろう。だがこれはただの喧嘩。ルール無用、なんでもありのデスマッチ。  それに我先にと反則を使ってきたのは、他ならねぇテメェだ。だったらこっちが反則技使わねぇ理由なんざこれっぽっちもありゃあしねぇ。 「ウラウラウラウラウォラァ!!」  まるで裏鏡(りきょう)などただのサンドバッグと言わんばかりに、身体の至る所をとにかく力の限りぶん殴る。  当然全てのパンチはガッチガチドーピング済みの一撃。空気は揺れ、地面は割れ、拳圧であらゆる木々は薙ぎ倒される。だがそんなことは全てどうでもいい。
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