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翌日、六月二十三日。
御玲、あくのだいまおう、パオング、カエル、シャル、ナージ、ミキティウスの八人は、流川本家領の庭の一画、木々の拓けた場所にいた。
御玲は魔導鞄のサブバッグを肩にかけ、少し離れた場所でお互い向かい合う二人の少年を眺める。
右側に立つのは、腰に剣を携え、薄着のTシャツと短パンで身を包む紅眼の少年、流川澄男。そして鏡面加工の銀髪を靡かせる、これまた同じファッションセンスの少年、裏鏡水月である。
本来であれば、今から昼までに出かける準備を済ませ、昼頃に転移の技能球で移動し、弥平と合流する手筈だった。
だがその予定は、彼と無言で向かい合う裏鏡水月によって、むなしくも阻まれる結果となった。戦いが終わったらすぐに転移できるよう、あらかじめ必要な準備は全て済ませてあるが、裏鏡水月への不満は募るばかりだ。
「どうして戦わなければならないのでしょうか……」
思わずぼそりと本音が漏れる。
かつてからの最終目標であった流川佳霖の討伐は終わり、彼の復讐は幕を下ろした。
これからは皆で何をしていくかを決めなければならないというのに、何故今になって裏鏡の思惑に乗らねばならないのか。皆目分からない。
彼がただ強い程度であったなら抵抗の一つや二つしたが、彼に逆らえない理由は単純にして明快だ。
純粋に、彼はあまりにも強すぎる。
昨日の夕方、佳霖を打倒した直後に現れた彼は、有無を言わせない殺気を放ち、一方的にこちらを抑えこんで反論する隙も与えないまま、約束を取りつけた。
仮に抵抗していたとしたら、抵抗する間もなく一瞬で消されていただろう。それを誰もが悟ったからこそ、彼の頼みを断ることはできなかったのである。
たとえ、あの超がつくほど天邪鬼な澄男ですら―――。
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