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そんな事されるのは久しぶりで、俺は気を抜けば達してしまいそうな快感を逃すように手元の毛布を掴む。
時折ジュッと強く吸われて、舌が蠢きながら昂りをなぞり、長谷の手が緩急をつけて上下に動く。
「ふっ…んんっ!」
気持ち良過ぎてそんな声しか出せないが、このままじゃイカされてしまいそうで、止めさせるように長谷の頭を押す。
「やめっ…ろっ!口の中で出しても知らねぇぞ」
最後に強めに吸いながら、仕方なさそうに長谷は口を離す。
「別に良かったのに」
残念そうにそう言うと、そこに座り込み何かしている。
「ここさ。使うのいつ振り?」
今度は楽しそうな声がすると、ぬるりとした指がまだ固い蕾をなぞる。
さっき、「代用品」なんて言いながら持って来たのは、多分何かのオイル。「食用だから安心だろ?」なんて笑いながら言われたが、こっちは笑えない。
「お前には関係ない」
素っ気なく言いながらも、足を持ち上げられて、そこに指を差し込まれようとしているから全く格好はつかない。
「えー?だってどれくらい解せばいいか分からねーじゃん?」
長谷はそんな事を言いながら、フニフニとそこに少しずつ指を出し入れしている。
「……半年」
俺が正直に答えると、面白くなさそうに「ふーん」なんて言いながら、強めに指を差し入れた。
「リアルだなぁ。こっち帰って来てすぐってこと?そんなに寂しかったわけ?」
確かに、もう顔も行為もどんなだったか覚えちゃいねぇ相手とは、そう言うバーで知り合った一回限りの関係。
寂しくなかったと言えば嘘になる。あの人の雰囲気が変わり、誰か1人を見始めた頃。その視線の先に俺はいないんだ、何て思って。
「うるせぇ!そう言うお前はどうなんだ!まさか3年なんて言わねぇだろうな!」
「俺は……1ヶ月、だな」
まさかの答えに体を上げて「はぁ?」と抗議するように声を上げた。
長谷はちょっとバツの悪そうな顔して俺を見ている。
「だってさぁ。これでも健全な男子じゃん?体が寂しくなる時もあるだろ?」
「何が健全だ!不健全だろうが!」
そう言うと、長谷は俺の中にゆっくり指を沈めて、俺に顔を近づける。
「妬いてくれた?」
今度は嬉しそうに俺を見て長谷は笑うと、唇に軽くキスを落とす。
「バッ!バカか!誰が!」
ふふっと長谷は笑い「嬉しいよ」とまた俺の唇に触れた。
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