第1章「貴方の匣、開けてみませんか?」

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第1章「貴方の匣、開けてみませんか?」

「貴方の(はこ)、開けてみませんか――――」  ねぇ、今学校で流れてる噂って知ってる?  ──噂って、もしかして今学校で持ち切りになってるあの噂?  そうそう。ここから少し歩いた所にある不気味な小屋。  ――あそこさぁ、薄暗くて気味悪いよね。でも、小屋なんてあったかなぁ  私が聞いた話だと。その小屋を見つけられた人は少なくて、実際見つけられたとしても無事に帰って来れる保証なんてないんだって。  ──えぇ。なにそれ、怖いんだけど。  ほら。最近ニュースになってるじゃん? 行方不明の子が見つかったって。でも、その子はいくら話かけても一切反応がなくて、まるで人形みたいだって。今も入院してるみたい。一体、林の中で何があったんだろうねぇ。  ──でも、確かその噂ってもう一つなかったっけ? 確か、小屋に辿り着いて、ある条件を達成したら願いが叶うとか。  うん。いろんな噂があそこには流れてるよね。少し怖いけど、気にならない?  ――確かに気になるけど……。  ねぇ、今日にでも行ってみない? 噂を試しにさ。どんなに固く閉じられた"ハコ"でも開けてくれるっていう、噂の小屋に――…… 「――――てめぇの黒い匣、俺がもらってやるよ」
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