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落ちただけ
「ここはどこだろう?」
辺りを見渡してみる。
暗い。 ただただ暗い空間が広がっている。
夜よりも暗い、底なしの暗さ。
恐る恐る、一歩だけ足を踏み出してみる。
その瞬間、地面の感覚が無くなったことに気がついた。
落ちる。
唐突な浮遊感が襲う。
もがいても掴む藁すら無いこの状況。
「私は死ぬの?」
『恐怖』という二文字が私の頭を支配する。
痛いのは怖い。 傷つくのは怖い。
死ぬのはもっと怖い。
一度も経験したことが無いから。
無知は恐怖を増幅させる。
死にたくない
死にたくない
死にたくない
死にたくない
「生きたくない」
そう呟いたのと私の骨がゴキリと音を立てて砕けたのはほぼ同時だった。
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