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「ここに白以外の色はないよ」
後ろから声がした。
振り返ると、そこには一人の女の子が居た。
やっぱり白色で、唯一目と輪郭だけは黒く、
薄っぺらい昔のアニメのキャラクターのよう。
今までどこにも居なかったはずなのに、
一体どこから湧いてきたのだろうか。
「ワタシは二文字 瑠璃。 あなたは?」
「……花……篝火 花」
「へぇ〜……可愛い名前だね!」
瑠璃はニコニコと笑っている。
屈託のない笑顔。
この部屋のように、汚れを知らない笑顔。
「……ココに来るのは初めてだよね?」
瑠璃は私を、まるで新しいおもちゃを見つけた
子供のような目でみている。
「う……うん」
「じゃあ折角だから他の場所にも行ってみるといいよ!」
「他の場所?」
「そう。 この世界ってすっごく広いんだよ〜。
きっと面白いものが見つかるよ」
「……どうやって行くの?」
この部屋には窓どころかドアすら無い。
それなのにどうやって移動するのか疑問だった。
「簡単だよ! ちょっと目瞑ってて」
言われるがままに目を瞑る。
次目を開けた時に、どんな世界が見えるのだろうか。
不安と好奇心が募る。
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