幕が上がる

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 しばらくすると、  ゴリッ……ゴリリリリ……  と、何か重たいものを引きずる音がした。  (……あの子は……瑠璃は一体何をしてるの?)  少し覗いてやろうと、うっすら目を開けてみる。  そう思ったと同時に、首筋に何か冷たいものが当たるのを感じた。    「えっ……?」  鋭い痛みが走る。  涙が出る。  血が見える。  視界が眩む。  意識が遠のく中、瑠璃がやはり屈託もなく笑っているのが見えた。  片手に血がベッタリと付いた白い斧を持って。
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