電 話

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電 話

「はい、もしもし……」昌子は瞳を幼稚園に送ってから帰宅して、リビングでテレビを見て寛いでいる最中であった。突然の電話に少しだけ不機嫌な感じで応対する。「えっ、労災病院・・・・・・・?・・・・・・・、ええ、愛美は私の妹ですけど・・・・・・・」病院から、そして愛美の名前を聞いて昌子は怪訝な顔を見せる。交通事故に巻き込まれて自分の妹が病院に搬送された事を聞き驚きのあまり目を見開く。 「昌子、誰からの電話?何かあったの?」電話の音を聞いて母親がリビングに顔を出した。慌てている自分の娘の顔を見て母親も何があったのか驚いている。 「えっ!!あっ!はい、私が迎えに行きます!!」昌子は慌てて受話器を置くと外出する支度を始めた。「愛美が男の人と一緒に病院に運び込まれたみたい!私が迎えに行くから、お母さんは瞳のお迎えをお願いするわ!」そう言い残すと家を飛び出していった。 「・・・・・・・ちょっと、昌子・・・・・・・!愛美が会社じゃないの!・・・・・・・それに男の人と一緒にって・・・・・・・、どういう事!?」中途半端な説明のせいで、母親は状況を全く理解することが出来なかった。
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