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失ったもの、手に入れたもの。
side尚哉
中二の夏、俺の人生は一度終わった。
中学バスケの地区大会。
明らかに狙われて、俺はコートに倒れ込んだ。
想がすぐに駆けて来たのがわかったけど、右足が伝える痛みに意識が奪われて、何を言っているかまではわからなかった。
病院。緊急手術。リハビリすれば歩けるまでは回復するけど、走ることは難しいと言われた。
俺の、バスケ選手人生の終わりだった。
「尚~、早く戻って来てよ~。想のボケが私だけじゃさばききれないよ~」
「知るか」
「え、俺漫才なんてやってないけど」
「お前は黙れ」
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