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弱気を見せる僕。
守護天使は額に手を当てて怒鳴った。
「何が親に迷惑か? 子どもが勝手にいなくなるより迷惑なことが親にあるか!」
ここから半時ほど、僕は守護天使にこっぴどく叱られた。
道の真ん中で泣きそうな顔をしている僕に通行人の何人かが声をかけてくれたが……。
「自分の守護天使は他人には見えないんだね」
「そうだよ。守護天使同士はそうではないけどね」
「そうか。みんなにも守護天使はいるんだよね?」
「もちろん。いじめっ子たちにもいるよ。ああ、彼らの守護天使は毎日気が重いだろうね。ろくでなしどもの守護天使なんて……でも、まあ、不自然死されるよりマシだな。そういう形で守るべき対象がいなくなった守護天使は一体どうなるのか。想像つくかね?」
「い、いいや」
「私にもどうなるかわからない。神のみぞ知るのだよ」
「そうか。わかったよ。なんとか毎日を生きてみる。守護天使に迷惑かけたなんて、地獄よりも恐ろしいところに落ちそうだ。どうせいつか死ぬのなら、大往生でさ、みんなから仏になった言われたいよ」
「うんうん。それがいい」
僕らは笑い合った。そして、
「いじめっ子たちをやっつける作戦を考えてよ」
「もちろんだ。いじめっ子たちの守護天使にも聞いてこよう。どこまでやったらいいのか、とね」
「き、器用なことできるんだね。守護天使ってさ」
私からあなたへ――
しかし、きみ。ホントに守護天使なんていると思うかい――?
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