0人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
「あー、頭いてー!」
ベットから起き上がると、頭が割れるようにズキズキと痛み、胸の辺りは押さえつけられて吐きそうになる。
また今日もお決まりの二日酔い。
「泰隆、全く、相変わらずだな」
「飲みつぶれるくらいなら、飲むんじゃねーよ」
台所から顔を覗かせ、陸と仁が声をかけた。
また、勝手に俺の部屋に入って来たのか。
あ、違う。土曜日だった昨日は、俺ら三人ここで飲んでたんだ。
「うるせー」
それにしても、なんでこんなにも空き缶が並んでいるんだ?
こっちの缶は昨日飲んだ分じゃないよな?
酒の缶やペットボトル、脱ぎ散らかされた服が散乱し、床が全く見えないこの部屋は、もう立派な汚部屋だと陸には呆れられている。
まあ、見た目もしっかりしている陸には、理解しがたいだろうが、これが俺にとってベストな部屋なんだ。
ガタイが良くて、口が上手い仁は、俺の部屋に勝手に入ってくると居心地がよいと言って、居座ったらなかなか帰らない。
仁は相変わらず自室のように寛いで、テレビを見ている。
「ま、迎え酒をしたら、お前はいつも楽になるし、バイトに行く前に一本飲むか?」
最初のコメントを投稿しよう!