I I I. ミイラ取りの奮闘

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まあ、それもいいか……。 先週の研修で、ビジネスマナーの講師が言っていた。『新人は助けられてナンボです』って。組織の一員とはそういうことだと。 私は、力みすぎていたのかもしれない。    懇親会が終わり、次は会社のメンバーとの反省会的な二次会があるので、すぐ移動しなければならない。 亮たち撮影クルーも撤収作業で忙しいが、一言声をかけたくて亮を探した。先ほどのカメラマンの男性を見つけたので、声をかけた。 「すみません、飯沢さんはいますか?」 「あー、飯沢の彼女ちゃんじゃん」 色黒の筋肉質な体系で強面の風貌だが気さくな話し方だ。 「聞いてよ飯沢ってばさー。あ、オレ、飯沢の同期なんだけどね。この現場、オレが仕切りで入ってたの、先週も。そんで撮ってきた()を見直してて。みんなでこの子可愛いよなーって話してたら珍しく反応してきて。見るなとか言ってきて。おいおい、仕事だってのっつって。そしたら自分が仕切るって言って、今日来ちゃったんだよ。まあ、ありがたいんだけどね。あいつデキるから。髭まで剃って何かと思ったら彼女がモテて心配だっただけじゃんってね」 そう言って、亮を呼んできてくれた。
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