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「おー、おつかれ。まだ二次会あるんだろ?」
「うん……」
どうしよう、抱きつきたい。
「ちょっと、こっち」
私の気持ちが通じたのか、亮は機材置き場に借りているらしい控え室に私を引っ張って行った。
ドアを閉めた途端、抱きしめられ濃厚なキスの嵐。
だが、すぐに離れる亮。
「あー、もう、連れて帰りてー」
と、言いながらケーブル類を仕分けしてプラケースに入れる作業をし出す亮。
撤収後に次の現場にすぐ向かわないといけないと、さっきのごついカメラマンが言っていた。
「ありがと。亮」
作業している後姿に向かって言う。
「まあーったく。いつ麗奈が弱音吐いてくれるかって待ってたけど、しびれ切らして来ちゃったよ」
「新人でも亮は弱音なんて見せなかったじゃん。私も見せたくなかったの」
「オレ、見せてたじゃん。キツくなったらすぐ麗奈に家に来てもらってたでしょ?」
「え?あれ?あれは私が会いたがってるから時間作ってくれてたんでしょ?」
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