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「違うよ。麗奈に癒してもらってたの。だから今度はオレがなにか役に立ちたかったんだけど。あんまり必要なかったな。麗奈しっかり社会人やってた」
「亮が助けてくれたんじゃん。さっき、高木先輩にみんなの前で色々言われて、どうしていいかわからなくて固まっちゃってたもん」
「ふふっ。学生のときの麗奈なら言い返してただろ?もしくはキレてビールぶっ掛けてたかも。ちゃんと周りを見れているから何も言えなかったんだろ」
なんで、この人は分かってくれるのだろう。
たまにしか会えないけど、あったかいバリアーで守られている気がして目の奥がじんわりと熱くなった。
「まあ、あの高木さんてのは、こじらせちゃってる感あるけど、単に仕事熱心な人っぽいよな。麗奈も自分で対応できたんだろうけど」
「ううん。すごく助かった」
「ちょっとは役にたったなら、今週末はたっぷりオレが麗奈に甘えさせて」
そう言っておでこにキスをしてドアを開けた。
亮は、エレベーターまで送ってくれて、撤収作業に戻った。
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