神様現る!!

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神様現る!!

出逢いは突然、訪れた 甘い金木犀の香りを(マト)い神と名乗ったモノは私の前に姿を現した。 漆黒ボディにスルリと長いシッポ 小さくて少し垂れた耳。 まん丸な蜂蜜色の瞳がクリクリと愛らしい子猫の姿をした【人ならざるモノ】 「おい!そこの人間!我輩は神である!」 トーンの高い可愛い声が耳に響いた。 ――――――空耳か? 辺りを見回すも時刻は夜の7時を過ぎた頃、人通りも少ない路地裏に自分と子猫以外が存在しているわけもない。 自分の目の前にいる愛らしいホルムの存在に自然と頬が緩み笑みが溢れた。 「確かに私は人間だけど名前があるのよ」 「·····そなたの名前くらい知っとるよ」 「えっ!私の名前、知ってるの?」 「我輩は神じゃ、そなたの事くらい何でも分かる!お見通しなのじゃ」 『エッヘンえらじゃろ』と猫慣らさず立ち姿でドヤ顔を決め込んだ。神と名乗る子猫はクルクルと人の足元を周りながら個人情報をペラペラと話し出した。 「橘花静音(タチバナシズネ)年齢27歳、極々普通の一般企業に勤める!極々普通のOL。優しく人を疑う事を知らず『バカ』が付く程のお人好し、それ故に騙され泣くことが多い。ただ一つ他の人間と違う点をあげるならば――――そなたは霊感が普通の人間より桁違いに強く、強すぎる故に幼い頃から、この世ならざる達に好かれ会話をする等の異形な力を持っておる。そして何より·····そなた内には、隠されてはおるが神界の宝が隠されておる。その宝は代々そなたの家に伝わる代物で歴代の女子は皆、子を宿すまで大切に、体内で守り力を隠し生きて来たのじゃろう·····どうじゃ当たっておろう?」 子猫の姿を借りた神と名乗る人ならざるモノの不適な笑みに、静音は苦笑いを浮かべ背筋にヒヤリと冷たい汗が流れた。 「――――すごい子猫だねぇ·····すっごいパラレルな発想!!小説になりそう」 「子猫の姿は仮の姿なのじゃ!!我輩は正真正銘えら~い神様なのじゃぞ!!」 だとしても·····どんなに奇怪で神と名乗る怪しい子猫であろうとも猫好き且つ可愛いモノ好きな静音には何の支障も問題もなかった。
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