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#010 転んだ時に助けてくれる草№1 ― ジャノヒゲ ―
2021.01.11
つい先日、家人が自転車置き場から自転車を出そうとして後ろ向きに転び、あわや大けが!という時に、頭が隣家の生垣に、背中がこの草に当たって事なきを得た、と報告を受けました。
いつも家の周りや道端にもさもさと生えていて、ほとんど気にしたことのないこの草。
ジャノヒゲ、別名リュウノヒゲ、ネコダマなどとも。
キジカクシ科ジャノヒゲ属。
こちらはなぜか、私の愛読書『山渓カラー名鑑 日本の野草』には掲載されていなかったので、時折参考に拝見している
『松江の花図鑑』さまより情報をいただきました。
夏先に葉陰に白い小さな花をつけ、冬頃に美しいブルーの実をつけます。
こちらが実ですが、直径7ミリ前後かな。
おままごとなどにおおいに使えそうな色形ですが、なんせ寒い時が旬らしく、外遊びのおともにはなかなか、ならなかった気がします。
そういえばこの草でもうひとつ、子ども心にショックだった出来事がありました。
この実を探して草をかき分けていた時、直径10cmはありそうな実をみつけてしまい、あまりの恐ろしさに泣いて逃げたという……
後で大人が確認してくれたところ、ゴムボールでした。
しかし同じ色だったというのが何とも。
お花もとても可愛らしいのですが、また時期が来たらご紹介できるかと。
ところで、調べていて『キジカクシ科』? 初めて聞いたなー、と他の植物で同科のものを調べたところ、なんと好きな花のひとつ、アマドコロもこの科でした。
前述の『日本の野草』(1983年発行)では、アマドコロはユリ科アマドコロ属として掲載されていたので、その後植物分類の世界も何かと変わってきたのかもしれません。
ジャノヒゲの肥大化した根は民間療法でも使える『麦門冬』という生薬になるのだそうです。
うん、頭も喉も守ってくれるとは。
ありがとう。もうキミのことは『緑のヅラ』だなんてバカにしないよ……
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