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 お調子者の柚子穂が、のべつ幕なし喋り始めた。なんだかはしゃぎながら下品な笑い声をあげている。彼女の横にいる隆磨さんはというと柚子穂の話しにずっと相槌を打っている。  綺麗なメイドさんがやってきて、柚子穂たちの注文を受ける。柚子穂はブルーベリー・ケーキとカフェオレを注文し、王子がブラック・コーヒーを注文した。直後、また柚子穂のお喋りが始まった。  すっかりのぼせてしまった私は、心ここにあらずの状態で、ただドキドキしていた。 「……というわけで私と隆磨さんと出会い、お付き合いすることになったの」  最後のそのセリフだけが、辛うじて聞き取れた。なにげなく柚子穂のほうを向くと私の瞳に彼女のブサイクなドヤ顔が映った。 「どうしたの、ななおちゃん? ちゃんと聞いてくれてた私の話?」 「う、うん」 「本当に聞いてくれてた? もしかしてななおちゃん、体調がすぐれないんじゃないの?」 「ううん、そんなことないよ」  柚子穂が目を細めて私を観察している(私のことを疑ってやがるのか?) 「そっか……。ならいいんだけど。さっきもお話したとおり、ななおちゃんのことを話したら隆磨さんが、ななおちゃんにぜひ会ってみたいって仰ったの。それでさ、ななおちゃん、土曜日の午後はたいていここにいるかな、と思って」
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