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しばらくして、母の様態が悪くなった。
「お父さんに言って、病院に入れて貰おうよ。」
「いいのよ。」
咳も酷くなっている。
「お父さんに迷惑かけたらダメよ。」
「そんな……」
自分の身体よりも、お父さんの事。
なんで、お母さんはそんな人生しか送れないのだろうと思った。
「せめて、薬だけでも買ってくる。」
私は居たたまれなくなって、お金を持って家を飛び出した。
早く、薬を買って飲ませなきゃ。
お母さんが、死んじゃう!
その時だった。
誰かに、腕を掴まった。
「きゃっ!」
振り返ると、あの吾人だった。
「小沢さん……」
「やあ、再び会えたね。」
小沢さんは、私が泣いているのを見ると、馬車の中に入れてくれた。
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