第1話 妾にならないか

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「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます。指切った!」 子供の遊びみたいな約束。 でも私にとっては、未来が切り開けた指切りだった。 「これで、君はもう僕のものだよ。小花ちゃん。」 「どうして、私の名前を……」 すると小沢さんは、クスクス笑った。 「薬屋の亭主に聞いた。小花ちゃんの歳も。いい人がいない事もね。」 「ええー!」 あの薬屋さん、いろいろしゃべって~。 「ところで小花ちゃん。このまま君とお母上を、我が屋敷に招待したいのだが、どうだろう。」 「今からですか?」 「善は急げというからね。」 まさか、屋敷に着いた途端、私、襲われたりしないよね。 決まった途端に、不安でいっぱいになった。 「大丈夫。全部、僕に任せて。」 すると馬車は、私の家に向かって、走りだした。 「あっ!薬を買わないと!」 「もっと、良い薬を買ってあげるよ。小花。」 ドキンとした。 急に、名前を呼び捨てにされたから。
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