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「シンデレラに なりましょか?」
蓮人が【嘘】をつくきっかけを与えたその男との出会いは3ヶ月前だった。
上下純白のスーツ姿の銀髪の男。雑誌からそのまま飛び出してきたかの様な完璧な容姿に何処かのモデルかタレントだと蓮人は最初に思った。
「だ・か・ら、シンデレラ!あ、蓮人はん。メロンソーダとかありまへんか?ああ無いわ。ワテあれにハマってますねん。気が効かんやっちゃなぁ。」
「そんな事など知りませんよ!」
「ええっ!シンデレラ知らないんかいな?本読め、本!」
美しい容姿に似つかわしく無い微妙にズレた関西弁とひょうひょうとした態度。
勝手に他人の家の冷蔵庫を開けて文句を言うなど先程から連続するこの失礼な美青年の行動。だが蓮人はひたすらグッと耐えしのんでいた。
冷たい視線も気にせず夢中で冷蔵庫を漁り続ける美青年。蓮人はそっと背後から顔を覗き込んだ。
......彼はまだメロンソーダを探している。
「知らないのは貴方がメロンソーダが好きだと言う事です!大体、シンデレラが一体何なのですか!そもそもアレ...本物......ですか!」
美青年の行動に苛立ちをつのらせた蓮人は軽い喧嘩腰の口調で突っかかった。
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