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【シンデレラの金時計】
本来の名前は無い。蛇が勝手につけた名称。
この懐中時計はただの時計では無い。
特殊型の天使が扱うアイテムの一つで神様から優秀な天使にだけ気まぐれで与えられる貴重なものなのだと蛇は鼻息を荒くしていた。
18時から深夜0時までの6時間。
《自分が望む偽りの姿》を指定する者に見せる事が出来る。
ただし注意が二つある。
一つ。
金時計の事は誰にも言ってはいけない。口に出した瞬間、生命を失う。
ただしタイムリミットを超えた指定した者であればその限りでは無い。
二つ
指定した者とタイムリミットを超えてしまった時、偽りの姿は消滅し、二度と指定した者に見せる事は出来ない。
蛇と『契約』してこの金時計を受け取ったのは3ヶ月前。
あれはバイクのコミュニティサイトで知り合った香澄と初めて会う日の前日だった。
顔の知らない二人。容姿の事でフラれたトラウマを持つ僕は不安に押しつぶされそうになり思わず神様に祈った。
......そして突然現れた天使。
僕は天使と契約し、
【最高の香澄好みの男】
という偽りの姿を香澄に見せる『シンデレラの金時計』の魔法をかけたのだ。
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