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七瀬は、お金がたっぷりもらえる。
相澤だって、18歳の女をあと腐れなく抱き放題。
お互いWINーWINの関係だ。
「行ってくる」
相澤がスーツを着て出て行く。ビシッとスーツを着れば、変態教師の顔はなりを潜めて、教師の顔。
まだ裸のままの七瀬の背中に一つ、口づけを落としてーー
「…ん」
「瀬戸、契約違反するなよ」
「しねーよ」
「ははっ…じゃあまた」
相澤の広い背中。
「ーー…」
強引な指。柔らかな舌。逞しいカラダ。細い腰。反り返って、パツンパツンの、熱くて硬くて、大きい、アレ。
2本目のタバコを消すと、七瀬はシャワーを浴び、身支度を手早く整え、いつものように合鍵を郵便受けの中に落として、相澤のマンションから出て行く。
「あいつ…カラダもアレもデカいくせに…しつこく思い切り突きやがる」
七瀬は力を入れる。気を抜くと高いヒールがグラつきそうだ。腰と下半身がだるい。ほんの30分前まで突かれまくったカラダの深部は、まだ疼いていて、挿入感がありありと残っている。
年末までの『専属』契約をして、半年以上が過ぎた。
相澤としかしてない七瀬のカラダのナカは相澤のカタチに馴染んできた。
馴染んできたとはいっても、サイズの問題で、いまだに始めからいきなりは入らない。
相澤との初めての時は、ちょっと出血してしまった。
それからは、相澤は、七瀬を昂らせて、時間をかけて充分受け入れられるようにしてから、始めの挿入をする。
その辺は、相澤は優しいと思う。
相澤がホントに激しくするのは大体2回戦以降だ。
したこともない体位の連続でーー相澤はホントに…女慣れしてるしエッチだと七瀬は思う。
七瀬が逝くのを見るのが嬉しいみたいで、七瀬は何度も何度も逝かされて、毎回くたくただ。
夜に3回か4回。
早朝からまた1回か2回。
あいつ、元気だな。
朝の通勤通学ラッシュ時。
七瀬は人の波の流れとは反対方向に歩く。
駅中の銀行に寄って記帳し、残高を確認する。
着々と貯まってきている。
ーーこれなら…契約が切れる、今年中には、十分…
「ただいまー」
「おかえり、ナナちゃん」
七瀬がアパートのドアを開けて、中に入る。
「夜勤お疲れさま」
「うん、ありがと、姉ちゃん。
春樹、保育園に行こ」
春樹はもうすぐ1歳だ。
七瀬の母は、七瀬が高校を卒業する少し前に、新しい男と出て行った。
お金も、通帳も、印鑑も、何も残さず、母は出て行ったのだ。
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