一生下僕の生徒会長

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嫌だ嫌だと思っていても 来るものは来るわけで。 次の日の昼休み、 私はトボトボ職員室に 向かった。 もちろん職員会議の 結果を聞くためだ。 足取りは重く、 顔はげっそり。 磯部君のために私、 何も出来なかったよ・・・ 「日高さん。」 職員室前につくと、 磯部君と昴、それに 稲葉君がすでに揃っていた。 ・・・・あれ。 「武市君は?」 私が訊くと、昴が 思いっきり顔をしかめて 私の方にかけよる。 「それが来てませんのよ! あり得ませんわ、 みんなでこの時間に 集まろうとラインで お知らせしましたのに。」 昴は憤慨して言うと、 プンプンと腕を組んだ。 武市君、 来てないのか・・・・ なんで? 「誰か理由知らないの?」 私が聞くと、磯部君が クククッと小さく笑う。 「何してるんだろうね、 あのぶーたれ王子さまは。」 ぶーたれ王子さま? というか磯部君、 君、笑ってる場合じゃ ないだろうに。 私はおずおずと 磯部君を見上げた。 「あの、 ごめん、磯部君、 磯部君のために出来ること しようとしたんだけど、 うまくいかなくて・・・」 しゅん、とする私に 磯部君は悲しそうに笑った。 「仕方ないよ。 大丈夫。 そうやってなんとかしよう って思ってくれただけでも 俺は嬉しいから。」 磯部君・・・・・。 「やさしいね。」 私がそっと囁くと、 磯部君はユラリと、 妖艶に瞳をこちらに向けた。 「俺、 優しくないんだな、 これが。」 はい? なんのこと、 と聞く前に、ガラッと 勢いよく職員室の 扉が開いた。 そこには、くらーい 表情の2年の学年主任。 「・・・・入れ。」 いつもの勢いはどこへやら の学年主任に私はびっくり。 昴と稲葉君は互いの顔を 見合わせている。 私たちがもたついていると 学年主任はイライラとした 様子でこっちを振り返った。 「入らんのか!」 「「入ります!!」」 先生、何でそんなに 不機嫌そうなんだろう。 それは、 職員室内の休憩室に ついた瞬間に分かった。
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