完璧な生徒会長

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ここは、下手なことを 言うべきではない。 1歩しくじれば、 確実に不味いことになる。 私の予感は的中して みんなは私の方を 振り返ると、 私の心臓が縮み上がる ようなことを言ってきた。 「まあ、日高さんには オタクとかそういうのは 関係ないですよね!」 「そうそう、 日高さんがオタクだなんて あり得ませんわ。」 「だって日高さんだもん。」 「日高さんはそういうの 興味なさそうだもんな。 てか似合わないし。」 「はは、 そうだね。」 この返事をした瞬間、 隠れキリシタンな 生活が幕を開けたのだ。 腐女子であることは 絶対にばれてはならない。 バレれば、 死 あるのみ!!! 私の今のイメージも人気も すべてが粉々に砕けちり、 学校生活終了決定だ。 それはいかん。 こうして私は腐女子で あることをひた隠しにして 今日まで過ごしてきた のである。 腐女子であることは 絶対に人に悟られては ならぬ!! そのために私は 努力し続けた。 腐女子の『ふ』の字も 感じさせないために、 優秀な生徒である 印象を強めるために、 誰が見てもオタクだと 感じさせないために、 勉強に力をいれ、 人に優しく接し、 運動神経を研き、 見た目に気を使い、 とにかく頑張った。 すべては快適な 隠れ腐女子ライフのため!! バレてしまえば、 腐女子ライフも 学校ライフも両方 お陀仏だ。 それは本当に困る。 ダメ、絶対。 『他人からの評価を 重々理解している』 と言って、さんざん 自画自賛できるのも、 腐女子だとバレないように 死ぬ気で頑張って、今の 評価を手にした自覚が あるから。 一方で、ダメだと 思えば思うほど、 BLへの愛は深まり、 どっぷりとその魅力に はまりこんでいった。 もうBLがない生活なんて 考えられない。 さっき告白を断るときに 言った恋愛よりも大切な ものは勿論BLだ。 今の私は自分の恋愛よりも 二次元にトリップする方が 忙しいんだぞ。 ちなみになんで 部活動に入ってないかと 言うと、単純に放課後 時間をとられて、 BL漫画を読む時間が 減るのが嫌だったからだ。 そうして努力してたら、 いつの間にか生徒会長にまで 上り詰めていたのである。
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