窮地の生徒会長

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「おはようございます、 日高さん。」 「おはようございます 日高せんぱいっ!」 「今日も安定の 素敵さ・・・・・・」 今日も学校にいけば、 みんなが私に競って挨拶を してくれる。 私はそれに対して、 微笑んで挨拶を返す。 普通の学校の人からすれば こんな風景ありえないと 思うかもしれないが、 これがここの学校の “普通”だから仕方ない。 有名なデザイナーが デザインしたとか言う 大きな襟のワインカラーの ブレザーと、濃いグレーの チェックのスカートを なびかせて、 私は颯爽と教室に向かった。 私はどこからどう見ても 立派な女子だ、 断じて腐の付く女子には 見えんだろう!!!! この日高凛にかかれば 秘密の1つや2つ、 隠すなんて容易いこと!! 心の中ではこんなことを 叫びつつ、顔はキリッと 決めている私。 こんな風に、 調子に乗ったのが 間違いだったんだろうか。 ―――――――――― ―――――――――――――― 『新生徒会四役の 皆さまは、生徒会室に お集まりください。 繰り返します、 新生徒会四役の 皆さまは―――・・・』 5時間目。 この時間をフルに使って 新生徒会発足式が行われる。 まずはみんな教室待機で 新生徒会メンバーだけ 生徒会室に呼ばれるんだ。 そこで色々と私たちが 準備している間に、 他の生徒は式典行事が 行われる際に使用する 校内の公会堂に移動する。 「日高さん! おめでとうっ!! 演説頑張ってね!」 「うちのクラスから 生徒会長が出るなんて 誇らしいよな。」 「日高さん、 日高さんのこと ちゃんと見てますね!」 「ありがとう、 行ってくるね。」 私は皆の歓声に送り出されて 生徒会室に向かった。 うちの生徒会は、 メインの四役という ものがある。 四役とは 生徒会長、副会長、 書記、会計のことであり、 ほぼこの4人で生徒会を 回していると言っても 過言ではない。 この4人には一目見て 四役だと分かるように、 バッチが与えられ、 更には他の生徒とは違う ネクタイの着用を許可 される。 生徒会BLでもよく あるやーつだな、 生徒会メンバーだけ なんか制服違うやつ。 生徒会長と副会長の 人に悟られないように しながらの主従関係BLも なかなかけしからんものが、 ・・・・これ以上は 顔が緩みそうだから、 考えるのやめよう。
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