窮地の生徒会長

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初めて見たのは高校の 入学式のとき。 持ち上がりで入学した 私たちと違い、 彼は外部からの入学者 だった。 てことはつまり、 えげつないほど難しい 試験をパスしたってことか。 見た目がとにかく 目立つから、もちろん 女の子達が放っておく わけもなく。 入学した直後から 彼の回りにはわんさか 女の子達が集まった。 私としては 「やっぱりハーフは 違うな。」 ぐらいの感想しか 持たなかったから、 今の今まで接点が なかったが。 改めてよく見てみると、 素晴らしいお顔立ちだ。 生徒会はやはり生徒からの 人気がなければ、何事も うまく運営できないないから、 彼には女子の惹き付け係 として大いに役に立って もらおうではないか。 これで生徒会の女の子からの 支持率はバッチリだな。 「次、書記の 大御門 昴さん。」 武市君のあとに呼ばれた 女の子は、はいと鈴の音の ようなきれいな声で 返事をした。 大御門 昴さん。 (おおみかど すばる) 名前が凄いと思ったら ホテル王の娘だった。 大御門グループと言ったら 全国に高級ホテルを立ててる 有名グループ。 高すぎて泊まったこと ないからよく知らないけど。 大御門さんはそこの 一人娘だ。 小柄だけど、放ってる オーラが完全にお嬢様。 気の強い勝ち気そうな 愛らしい顔立ちで、 髪は見事なツインテールの 縦ロール。 セットするの大変そう。 四役のうち、会計と書記は 1年が務めることに なっているんだけども、 この大御門さんも1年生だ。 彼女は私が生徒会長に 立候補した直後ぐらいに 書記に立候補して、 四役の中で一番高かった 倍率を勝ち抜いて、 書記に当選した。 きっと根性があるのだろう。 見た目も良いし、 この子にはうんと 頑張ってもらわねば。 男子生徒の支持率は ここで稼げるな。 そして、 先生が最後に呼んだのが 会計で1年生の 稲葉 宰君。 (いなば つかさ) 眼鏡をかけていて、 優しそうでふんわりとした 雰囲気の男の子だ。 おうちはお寺らしい。 大御門さんと武市君の 見た目がずば抜けて良いから この人の印象が薄いが、 こういうのが良い“受け”に なったりするんだゲフンゲフン よく見ると顔も悪くないし、 背も高くて、良い“受け”に なる要素がゲフンゲフン いけないいけない。 ほぼ初対面の人間をこんな 邪なフィルターにかけて 見るなんて。 だだまあ、 かなり普通っぽいから、 私にとっては一番 親近感の湧く人間だ。 (逆に言うと後の二人の 普通じゃない感がすごい) けして妄想の対象な だけではないぞ。 (妄想の対象であることは 否定しない) こうして、勢揃いした 新生徒会四役。 改めてみてみると、 みんな優秀そうでは ないか。 これから先に期待が 持てるな。
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