窮地の生徒会長

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・・・・・・・え? 武市君が何を言いたいのか 分からなくて、 私は思わず眉を潜めて 彼の方を見た。 武市君はお美しいお顔で ゆったりと笑っておられる。 「大丈夫って、 え、武市君、 え?」 予想外の返事に私が 目を白黒させていると、 武市君は綺麗な瞳で 真っ直ぐ私を見つめた。 「何が好きかなんて、 その人の勝手じゃん。 俺は別に日高さんが BL好きだからって 引いたりとかしないよ。 ・・・・だから、 大丈夫。」 ・・・・・神よ!!!! 私はガッと武市君の 手を掴んで、 ありがとうありがとう!! と連呼した。 武市君は天使じゃない、 彼はもう神だ!! 神はここにおはすのだ!! 「武市君ありがとう!! 本当に素晴らしいよ君!! そう言ってくれると、 本当にありがたい!!!」 偏見もないなんて、 武市君、なんてできた人! 私が握手したまま ブンブンと腕を振ると、 武市君はケラケラ笑った。   「大袈裟だなぁ、 日高さん。 でも、 せっかくだし、 これを機会にもっと 俺と仲良くなって くれたら嬉しいな。 生徒会長と、 副生徒会長として、 これから頑張ろうね?」 「はい、もう いくらでもっっ!!」 こんな良い人物が私の 補佐役の生徒会副会長 だなんて。 なんでこんなに 恵まれてるんだ私、 日頃の行いがやはり 良いからか。(おい) 私がコクコクと何度も 頷くと、武市君もコクンと 1度大きく頷いた。 ああっ 神様ありがとう!!! その後私は無事に BL画集を買って、 家に帰ることが出来た。 家で速攻自分の部屋に 籠って読んでみたけど、 なんてエロス!! なんてクオリティ!! どんな絵なのか詳しく 説明してあげたいけど、 説明しようと思ったら 18禁の単語の オンパレードになりそう だからやめておく。 それにしても 見てるだけで、 幸せのあまり眼球が 溶け出しそうだな。 蜜ヶ峯ゆら先生の描く 男の子はハズレがない。 本当に一時はどうなるかと 思ったが、よかったよかった。 武市君もみんなに 話さないみたいだし、 めでたしめでたし。 と、 終わってくれたら どんなに良かったか。
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