窮地の生徒会長

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次の日。 正直、当日になると 不安はぶり返すもので。 学校の門辺りで私の 気分はかなり憂鬱な ものになっていた。 ああ言ってたけど、 武市君がペラッと 昨日のことを人に 話してたらどうしよう。 ・・・・・胃が キリキリしてきたぞ。 それでも私はあくまで 何事もないように 振る舞わねばならない。 いつも通りのキメ顔で カツカツとローファーを 鳴らして、私は校舎に 向かった。 教室の扉の前につくと、 胃のキリキリは 最高潮になる。 扉を開けて、 皆の目が冷たかったら アウト決定だ、 日高凛死亡のお知らせだ。 すー・・・・ はー。 深く深く深呼吸をして、 私は教室の扉の取っ手を 握った。 大丈夫、大丈夫だ、 きっと大丈夫だ日高凛。 武市君を信じよう!! ―――――ガラガラッ!! 「おはよう!!」 思いきり大きな声で 挨拶をした私。 間が、 開いた。 私の背中に冷や汗が伝った。 「あ、・・・・」 思わず、狼狽えた。 これは、 もしかして もしかすると。 そんな風に、 とらえた瞬間。 「日高さんっ、 おはようございます!」 「おはよう、日高さん。」 「びっくりしたねー、 なんか物凄い形相で 挨拶するんだもの。」 「ねー。 どうされたのかしら。」 みんながいっせいに 挨拶を返してくれた。 よ、 よかったーーーーっ!
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