一生下僕の生徒会長

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う゛・・・・・・・ 私は思わず口ごもる。 私、やっぱり生徒会長 続けられないのか・・・ きゅ、と胸が痛んだ。 学年主任は息を吹き返した らしく、とたんにいつもの 調子を取り戻す。 「磯部はまあ・・・・、 こういう結果に終わったが、 日高はきっちり対処 させてもらうぞ。 生徒への通知は プリント配布で行う。」 学年主任としては、 せめて私だけでも自分の 決めた方向で処分を 進めたいのだろう。 覆すのは、 至難の技か。 学年主任はドヤッと すると、私の顔を 覗きこんだ。 「日高、 自業自得だからな。 今回のことを反省して これからは、」 「先生っ!!!!!」 バンッ!!!と開かれた 休憩室の扉。 そこには、 息を切らした武市君が。 「武市、 ・・・・・くん?」 丸くなる、私の目。 きて、くれた・・・・? 来てくれたんだ・・・! 武市君は、「っ、」と 喉を上下に動かして、 真っ直ぐ先生を見た。 そして、息を整えながら 真っ直ぐに姿勢を正して 立つ。 「先生に伝えたい ことがあって、 きました。」 武市君はこういうと、 深く息を吸って吐いた。 学年主任は訝しげな表情。 明らかに、 「また面倒くさいことを 言うんじゃないだろうな」 と言うような態度だ。 武市君は手に持った 大きな茶封筒から1枚 紙をとり出した。 「・・・意見書です。 日高さんの、 生徒会長継続を 要求します。」 武市君・・・・・・!? 私たちみんな、 目を見開いた。 武市君、えっ・・・? 想定外の展開に、 私は口をパクパクさせる。 学年主任はフンッと 鼻で笑った。 「意見書? ほー、 これ、武市のサインだな。 武市、意見書提出の ルール、知らないのか? 意見書は生徒会長の サインがあって初めて 書類として完成する。 サインがないものは ダメなんだが、 日高が生徒会長じゃ ない今、生徒会には 生徒会長がいない。 つまりサインできる人間が いないってことだ。」 ・・・・そうだ。 意見書は、 生徒の総意として 先生方に提出される書類。 生徒の代表である 生徒会長のサインは必須。
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