嗚呼へーベー、生なる恵みを

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 わたしの希望が尽きる前に。あゝ神様、お願いです。願いを叶えてなんて言いませんから、せめて生きつづける力を。  願えど叶わぬ望みだけれど、女神に祈り乞いながら、わたしは主人と寄り添いながら生きつづけたい、いつまでも。  わたしの願いは永遠。永遠の時間、永久につづく生。いつかわたしも彼もいなくなる。それが理。それでも、不可能な願いを捨てられない。  永遠の命を謳うように、玄関ではへーべの鉢植えが季節外れの満開を誇っている。 《終》
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