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ダイヤとハロウィン6
「んっ、む」
くちびるとくちびるの先端が触れ合って、ただそれだけで敏感な奥の粘膜が疼く。
「っは、フジマんゥっ」
清潔なメイド服の内側、火照りを持て余した身体がキスだけで蕩けていくのがわかる。
「ハッピーハロウィン」
俺の唇を吸い立て、番いの小鳥のように啄んでから、スミレの砂糖漬けの何十倍も華やいだ笑顔を魅せる。
「俺の為にわざわざ?」
「ハロウィンだしね」
「タルト買ったじゃん」
「これっぽっちじゃ足りないだろ?タルトは2人で食べる用、スミレの花の砂糖漬けは巧にあげる用。一応彼氏なんだから、手抜きはしないでばっちり決めたかった」
お菓子かいたずらか、どっちかしぼれないなら両方選ぶ。
俺にベタ甘なフジマは、そんな欲張りだって笑って許してくれる。
自分も一粒砂糖漬けを摘まんで舐め転がしながら、少しだけ口惜しそうにフジマがぼやく。
「執事服返すの延期してもらえばよかった。釣り合いとれたのに」
「メイドが執事にご奉仕って職場恋愛感が半端ねーな、一歩間違えりゃパワハラだ」
「言えてる」
フジマが相槌を打って吹き出し、俺は砂糖漬けをもう一粒頬張ってから裾を払って立ち上がる。
「すーすーする。やっぱ落ち着かねー」
「ぬいでいいよ、動き辛いだろ」
「やだね」
フジマの気遣いを足蹴にし、ぽかんとする幼馴染の膝の上に直接座り直す。
案外具合がいい、特等席のようにすっぽり尻がはまる。
「巧?」
戸惑いがちに俺を呼ぶフジマの声が羞恥心を加速させるが、どっこいこっちも引き下がれねえ。
祭りの恥はかき捨て、メイド服を着りゃもろともだ。
俺のためだけにスミレの花の砂糖漬けのサプライズを仕込んだ、気が利きすぎる彼氏にちょっと位サービスしたってばちはあたらねえ。
「……悪戯。まだしてねーだろ」
衣擦れの音がやけにでかく響く。
耳たぶまで真っ赤に染めながら、くるりと身体を返してフジマと向き合い、スカートの裾を両手で持ってゆっくりたくしあげていく。
下はダサいトランクスで色気もへったくれもねえが、下着が見えそうで見えないギリギリまでスカートをまくりあげ、じれったげに腰を浮かせて言ってやる。
「トリックオアトリート」
きわどい所までスカートを捲って挑発すりゃ、さすがに意図を察したフジマが生唾を飲み、俺の腰に手をあてて力強く抱き寄せる。
「いいのか?服、皺になるぞ」
「俺がもらったんだからいいんだよ」
フジマの膝にまたがって股間を擦り合わせりゃ、ぞくぞくと痺れが駆け抜けて勝手に腰が上擦っていく。
「お菓子もいたずらも全部くれるって約束したじゃん」
メイド服で行為にのぞむのは背徳的だ。
フジマが俺の腰を掴んで抱き上げ、対面で座らせる。尻の下に固い物があたる。コイツ、ちゃっかり興奮してやがる。
「こーゆーのスキなんだ、変態」
皮肉っぽく口の端を曲げてからかえば、むっとしたフジマがスカートの下に手をもぐらせ、トランクスの生地越しに先端をしごきたてる。
「お互い様だろ」
「あッぅッあぁ」
ロングスカートに潜った手が複雑に蠢いて、気持ちよさに腰が浮く。
フジマは上目遣いに俺のよがり方を観察し、笑みを含んだ声音で嘲る。
「下着の中をぐちゃぐちゃにしてはしたないメイドさんだな」
「おまっ、えが、手ェ動かすからだろーがっ!」
「もっとおしとやかに喘がなきゃだめだろ」
「注文多いよ!」
「スカートが皺になる。じっとして」
サディスティックな指示にぞくぞくする。身体がどうかしちまったみてえだ。
メイド服の生地が肌を擦る都度皮膚がざわめいて、触覚がどこまでも過敏に研ぎ澄まされる。
「あッあッフジマっ、そこすげっあたる……ふあぁ」
開けっぱなしの口からふやけきった声がもれる。
フジマの物が窄まりをリズミカルに突き上げて、下着越しの刺激にはねまわるっきゃない。
もっと欲しい直接欲しい、早くぶちこんでめちゃくちゃにかきまわしてほしい。
でも自分で言うのは恥ずかしくて、苦しげに息を荒げ、前のめりにフジマにしがみ付く。
「ふあっあ、すごっ、でかい」
悩ましい衣擦れに弾む息遣い、物欲しげにひくつく先端と後孔。下着ん中のペニスはぼたぼた雫をたらしてそそり立ち、今か今かとその時を待ちかねている。
「挿れていいか」
声をだす余裕もなくくり返し頷けば、自分もとっくに限界だったらしいフジマが手早く下着をずらし、先走りでぬめったペニスを尻にねじこんでくる。
「ん゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
フジマの上で大きく仰け反る。
挿入だけで軽くイッちまった。
「だめだこんなよすぎてあッ、ふぁああっ止まんねッ、あッやだ動くなフジマっふぁあ」
フジマの昂りと力みが抽送のペースで伝わってくる。
対面座位での行為は初めて、お互いの顔が至近距離でばっちり見えるせいか全身が羞恥と快感に燃え上がる。
「スカートはだけてるよ」
「見るっ、な」
涎をたれながして喚く俺をフジマが突き上げる。フジマの首の後ろに手を回し、胸に顔を埋めて身体の反応に知らんぷりをきめこむ。
スカートが広がる内側で深く深く繋がり合い、俺はフジマを一番奥まで咥え込み、フジマは俺の前立腺を凄まじい勢いでノックする。
「ふじっま、こんなおかしっ、あぁあすげっイい、ンあぅっふあっあ、スカートが腿に擦れてへんっ、にぁあ」
「ネコみたいな鳴き声」
前からも後ろからもどんどんあふれてくる。俺ん中に入ったフジマの物が脈打って、粘膜を擦り立てるたびに下半身から脊椎を通り、脳髄へと快感が駆け巡る。
「あッあッ、あぁあッ、ああっ」
振り落とされないよう俺の腰を抱え直したフジマが命じる。
「自分のかっこ見ろよ。メイドさんなのにスカートだらしなくはだけて、先走りで太腿べたべたにテカらせて、顔は涙と汗でぐちゃぐちゃ。すっごいえろい」
「言うなって……!」
恥ずかしくて死にてえ。でも気持ちいい。
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