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事故
「綾斗!今日佳純たちと遊ぶから一緒に帰れないや!ごめんね。バイバイ!!」
「ん。いいよ。じゃあな。」
俺の恋人、悠。
身長は175近くあるイケメンというより美人系の男子。一緒に帰れないのは残念だが仕方ない。
「いいなぁ。綾斗。充実してますなぁ。あっ俺と遊ばないか?悠も遊ぶんだろ?」
「別にいいけど…。」
こいつは波多 奏人。地味に小学生からの付き合いだ。((小学生の頃は全然しゃべらなかったけど。
中一の時も同じクラスで志望校が決まっていたらしく少し話したら志望校が同じでそこから意気投合。
仲良くなった。
この学校は男子校だ。
俺は特待でこの高校に入った。なんせ、授業料は免除されるし、他にもいろいろいいことがある。それ目当てで入ったも同然だ。
案外特待って簡単になれるものなのだな。とか思ったり、思わなかったり。
「だぁ!!また負けた!!」
「ふっ雑魚め。おまえもまだまだだな」
「腹立つわぁw勉強はできるし、運動神経はいいし、ゲームもうまいし、イケメンってどういうことだよこいつぅw綾斗わけて?w」
「盛りすぎだろw俺も必死に勉強したから特待で入学できたんだよ。(もちろん嘘)
最初先生に特待は厳しいって言われてたくらいだ(当然嘘)。
最終的には特待だったがな」
「マジ腹立つw」
ゲーム中にケータイが鳴る。
佳純からだった。
「佳純から綾斗に電話とか珍しいな。」
「綾斗だけど、なんだ?」
『悠が大変なんだ!!車に…』
「は?」
自分の声が震えたのがわかった
悠が車に
はねられた?
「おい!待てよ!綾斗!!」
俺はすぐに佳純たちのもとへ向かった
がむしゃらに走った。
場所はあのたこの滑り台があるところらしい。小さい頃はよくひとりで滑って遊んだものだ。
「…悠?」
そこには
悠と五才くらいの男児がいた。
サッカーボールと悠のバッグが落ちていて
男児は状況がわからないのか路上の端のほうで呆然と座っている。
車の運転手と男児の母親は警察へ電話し何か話している。
悠はこの子を助けようとしたのか?
「綾斗!ごめん…」
「なに謝んだよ。」
「悠はあの子を助けようとしたんじゃないのか?」
「…そうなんだけど…何もできなかったから…」
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