プロローグ

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プロローグ

〔今日はもう家でゆっくりしてたの?〕 〔うん〕 LINEを見ながら、へえ、と思わず声がでた。 圭吾くんが一日飲みにも行かないで、家でゆっくりしているなんて。違和感がすごい。 〔珍しいね。飲みにも行かず?〕 LINEに素早く返信を返す。 〔うん〕 これにもすぐさま返信がきた。 珍しい。 近頃は付き合って一ヶ月すぎて、連絡頻度が落ちてきていた。たまあに、気まぐれに圭吾くんが暇なときに小気味よく返ってくることはあっても、ここ二週間くらいそれはなかった。 私は、ああ『恋愛初期あるある猛ダッシュ期』が終わったんだなあ、と少し焦り寂しく思っていたから、何気ないやり取りでもリズムよく返ってくると嬉しい。 〔晩御飯食べた?〕 〔うん〕 またすぐ。ほぼ即レス。今日はどうしたんだろう。機嫌いいのかな。嬉しいな。 女って単純だな、連絡だけでこんなにテンション上がるなんて、と思いつつ、つけていたネックレスを外しながら、ついついあいみょんの裸の心のサビを歌ってしまう。「この恋が実りますように」
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