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「あ!」
魔法熟女はあたしの顔を下から覗き込んだ。
「大丈夫?」
その顔に涙がポタポタ落ちていく。
「これよ!この切ない成分よ!あ~潤うわ~」
魔法熟女は嬉しそうだ。
「どうすればいいのよ…」
あたしは呟いた。
「これだけ切なく想っているなら、最初に告った男子に再アタックしなさい。好きな人が居るっていうだけで、他の女子と付き合ってるわけじゃ無いんでしょ?モーレツアタックで振り向かせるのよ!」
そう言うと魔法熟女は掌を上向きにして手を出した。
「じゃじゃ~ん♪これを使いなさい」
そこには風邪薬のようなカプセルがのっていた。
「なにこれ?」
「恋心の種よ。中身は一度目の恋心。少しだけ復活の魔法をかけてあるわ。だからほんのりピンク色。でも、ここから育てるのはあなた。どうなるかはあなた次第ってことだよ!」
また魔法ステッキを鼻先に突きつけられた。
「あ、ありがとう…」
なんだ魔法熟女、意外と優しいじゃない。あたしは大泣きした。魔法熟女の顔に涙がどんどん落ちていく。ううん、涙だけじゃ無いよ。
「ぎゃっ、こらっ!鼻水垂らすなっ!」
仕方ないじゃない、堪えてたものが溢れ出したんだもん。
「覚えてろよー!」
魔法熟女は窓から出て行こうとして振り向いた。
「でも頑張って良い恋してよ!恋心が大きくなって、ちょっとしたことでも泣きそうなときは呼ばれなくても来るからね!」
そう言い残して窓から出て行った。
妙に親切だと思ったら、それが狙いだったのかーっ。
ーーつづくーー
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