ついに魔法が使われた…

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「落とし物だよー!」  夜、勉強をしていると、窓をカラカラと開けて魔法熟女・若松真慈代(まじよ)(多分偽名)が入ってきた。  ピンク色の髪、胸にデカいリボン、フリルのついたパニエ、魔法ステッキ…それにしても、ウェストがくびれてボンキュッボンとホントにスタイルが良いなあ。 「落とし物じゃないわよ」 「落とし物じゃないの?」  魔法熟女は下唇に人差し指をあてて小首を傾げてキョトンとした。 「捨てたのよ」 「ふーん、相変わらずダメダメだね。仕方ない、そこに座りなさい」  魔法陣を隠すために置いている折り畳みの机に、魔法熟女は魔法ステッキを向けた。もしかして!魔法陣の真上だから、恋愛成就の魔法をかけてくれるのかも知れない! 「ここ?」  あたしは期待しながら机の上に正座した。 「なにやってんの?」  なあんだ、普通に机の前に座らされた。なんかお説教されそうな雰囲気だ。 「あんたも座ったらどうなのよ?」  あたしが言うと魔法熟女は困った顔をした。 「えー…座らなきゃダメ?」 「見下(みお)ろされながら喋るのって嫌だもん。目線の高さを合わせようよ」 「真っ当なことを言うのね。うん!わかった。良いって言うまで後ろを向いててね!絶対にこっち見たらダメよ」  なんで??  
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