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「じゃーん♪」
魔法熟女は夕方あたしが校舎裏に捨てた恋心を机の上に置いて、
「あんたねえ」
と急に説教おばさん口調になった。
「真面目に恋しなさいよ」
「真面目に恋してるわよ」
「それは嘘。だってあんたの恋心、だんだん軽くてスカスカになってきてるわよ。それに最近は失恋しても涙すら出ないじゃないの」
魔法熟女はまたしても魔法ステッキをあたしの鼻先に突きつけた。
「良い恋をしてない証拠よ」
カッチーン
ときたから、あたしは魔法ステッキを掴んで取り上げ、
「ゲジゲジにしてやる」
と魔法熟女の鼻先に突き付けた。すると…
何も起きなかった。
「魔法の修行をしてない人が使っても、ただの棒だよーん」
「はあ…」
あたしは溜息をついた。軽くてスカスカな恋心か…。机の真ん中に置かれた恋心を見た。
あれ?少し膨らんでるじゃん!成長の余地有りってこと…
違うっ!
しまった、ここって魔法陣の真上だよ!
魔法熟女が膨らんだ恋心を見て言った。
「これは…」
「これは?」
「大丈夫よ!」
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