平和な日常

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神崎 椿の一日は早朝五時から始まる。 少しぼんやりと布団の温かさを満喫する。そうしたらベットから出て朝食の準備をする。食べ終わった後は身支度をし、BL本を読み満足した後部屋を出る。 寮を出るとまだ早い時間ながらもちらほらと早起きな生徒たちが校舎へ向かっていた。椿がいることに気づき男にしては高めの声をあげながら挨拶してくるチワワな生徒と、それを遠巻きにして眺めている生徒を横目に今日はどこへ行こうかと少し浮ついた気持ちで今時ありえない城、...にしか見えない校舎へと向かう。 校舎に入ったら中庭へ向かい、中央に大きな木があるのでそこを登って木の枝に腰掛ける。そうしたら持っていたバッグに入っていたPCを取り出した。 「んー、朝には人が少ないからそれに乗じて空き教室でカップルが入っていくんだよな~」 と何気なくつぶやき、学園に設置されている監視カメラと自分が設置したものとほかの誰かさん――多分腐男子が設置した盗撮器をハッキングして校内の様子を観察する。 なぜできるのかというと、まだBLというものを知ってはいるけれど触れてはいない純白な頃。世間を騒がせニュースにまで載ったハッキングというものに興味を持ったのだ。まあ、なんてものに興味を持っているんだという話になるのだが、あの頃は若かった…だから仕方ない。冒険魂を持つ男だからな俺は。そう仕方ないんだ。その頃はこんなことに使うなんて思ってみなかっただろうがな。だがそんなおかげでこんな萌えの欲求を満たせるのだからできるようになってよかったと思う。 「うわっ、なんだまじかあの二人くっついたのか!ktkr-!!」 このままじゃれあいから突入するのかよ。いいぞもっとやれ。うわうわうわ、ネコちゃん、オオカミに迫られて顔真っ赤になってる。あ、やべぇ、鼻血出る… バックから箱ティッシュを取り出し、一枚抜き取って鼻に詰める。その間も画面を凝視したままだ。 「よしっ!そこを責めろ!そうだ!そのままメロメロにしてしまえ!」 なに?人が交わってるのはどうなんだだって? はっはっは、駄目に決まってるだろう! だが、見る!! 俺は腐男子だ!それに適当に置いてあったカメラの映像を気まぐれに見て何が悪い! アッハッハッハ!(テンションの上限突破&キャラ崩壊)
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