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気まずい雰囲気のままコーヒーを飲んでいると
カランコロン
「はー涼しいな」
「天国ー!」
「ほんとにね」
かいちょ…紅鴉と双鴉が入ってきた。やはり外が暑かったらしく、この涼しさに顔を緩ませた。
「ん?血狂いじゃねぇか!」
「あー!血狂いだー」
「飴ちゃん頂戴?」
俺を見つけて歩いてくる三人。
「ヨヴ!あと、飴はやるからとびぃついてくんなァ」
「早く、早く」
「ハイハィ、ほれ桃味だ、二人で分けろォ」
「わかってるぅー」
「あむっ!美味しー」
飴をせがまれるのは前に絡まれに絡まれてウザかったので無理矢理口に突っ込んだからだ。どうやら気に入ったらしく、会うたびにせがまれるようになった。
どこの会社のと聞かれたが自作なので探してもねーぞ?と言って後悔したものだ。
「それで、何か用か?」
「あ、それ俺も思ったっす!」
「駄犬はシャラップ!テメェはしばらく話ィかけんなァ」
「駄犬…兄貴にそう呼ばれるとちょっと新しい扉を開いちゃいそうっす」
キメェ…
「?何かやったのか?こいつは」
「べつぅにィ~?で、用かぁ、それはアンちゃんがいちバァンわかってんじゃネェかァ?」
「……【ヴァンパイア】か」
「アッたりィ!その件だヨぅ、オレェもあいつらがァ来たら困るのはァ一緒だからぁねぇ?」
治安が悪くなるのは困りものだしな。大量に発生すると駆除がめんどくさくなるし。
堕ちるのは楽だけど、元に戻すのは多大な努力が必要だ。しかもきついのがヤクをキメる連中だな。無作為に広めようとするし、元に戻すのも大変だったり出来なかったりする。理性も曖昧になるし、妄想と現実が混ざり込んで何をしでかすかわかったものではない。
手加減モムズイしなァ~神経がヤラレチャッテルカラ偶に馬鹿力も発揮するしよォ、本当に百害あって一利なしなやつらァなわけぇよぅ
「本当、滅ビレバイイノニ……」
「過激だなぁ」
「つんつんしてるぅー」
「こ、怖いっす……(小声)」
ンぅ?心の声が漏れちゃァッタのかなァ?気をツケナァイトォねぇ?
「そ、そうか。協力、してくれるのか?」
「ソウだって言ってんじゃァン?ナニさァ、キミたちだけでヤルノぉ?」
「いや、むしろこっちの方が頼みたいぐらいだから助かる。いい加減、飛び回る蠅にはうっとおしく思ってたからな。」
「ソぉ、ならいいんじゃァなぁい?」
手を出すなと言われても勝手にやるがな。やるに越したことはないし、【crow】と【cat】が潰していると言っても漏れが出る。そこから既に被害は出たりしているんだ。
窃盗から始まって殺人までやっている連中だ。この間だって殺人未遂まであったぐらいだ。早めに潰さないと本当に殺人が起きる。
ソレにィ、ナンかぁ行方不明者ガ増えてェルラしぃンダヨナァ……
若い子中心に、ラシイ。まァ、ナイトは思うがァ…イや、
俺はコーヒーを見下ろして陰鬱と笑った。
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