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チャラ男と オ ハ ナ シ した後はまた目をつぶって座っていた。事前に釘を刺したからか、何事もなく過ごせた。
目をつぶってから幾ばくかの時がたったころ
「わぁ……っ」
「海だー！」
窓の外に海が見えた。俺も目を開けて外を見てみると太陽の光を反射してキラキラと光る青い、碧い海が目に入った。海に沿っている国道を通っているから海が近くて迫力がある。
「本当に、地平線まである……」
それはどこまでも続いていて青かった。俺は写真とかテレビとかでしか見たことがなく、そういうものなんだとわかっていても衝撃的だった。
「…つっつん、もしかして海見たことがない？」
小さく呟いたつもりだったが案外隣に伝わっていたらしい。
「ん…写真とかでは、見たことがあるけど……」
「そっかぁ、じゃあ初めての体験ってことだねぇ～！」
「そ、う、だねぇ、初めてだぁ～」
鬘とかバレるわけにはいかないから海には入らないから体験とは言いがたいがな。まあ、足まで浸かるとかなら大丈夫か。わかってたけど、実物で見た方が感動があるな。写真とかも良いんだが、これはこれで……
時間も忘れて海を見ていたら目的地に着いた。バスを降りて見てみると大きな家があった。まあ、大きすぎなくていいんじゃないか？
建っている場所はけっこう高くて後ろを見てみるとこれまた姿が変わった海が見えた。これはこれで良いな。
「うっわ～景色いいねぇ」
「そうだろ、それもあってここに別荘が建てられたんだ。俺の気に入った景色の内の一つだ。」
「だよねぇ～これ見ちゃったらねぇ」
それだけ価値のある景色だ。ここに建てるって決めた人は英断だと思う。
会話もそこそこに中に案内される。
「おっじゃましまーす！」
「しまぁーす！」
「うわ、これってレウコフィラ!?なんで置いてあんの!?」
おじゃましますって、え？レウコフィラ置いてあんの？え、置いちゃうの？
茜部が見た先は玄関開けてすぐ横のところだった。当たり前のように置いてあって逆に気付きづらいやつだわこれ。
レウコフィラってたしかサラセニアの一種だったよな。んで、食虫植物。
へぇ、上の部分が白っぽくなってきれいだなこれ。葉脈が模様になってるし、蓋もひらひらとしてるからレースみたいだ。
「それか、母が好きでな。よく置いてあるんだ。俺の実家とかにも置いてあるぞ」
「確かにあなたの家でよく見かけますね、これ」
「え！そうなの!?僕も置いてみよっかなぁ」
母の、か…いいなぁ会長お母さんがいるんだ。
いや、もういいか。そんな風に思ったってなにも良いことなんてないし。
俺はそれから目を逸らして充てられている部屋に向かった。
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