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翌日、俺たちは海に出ていた。
「わー!海だー!」
「みんな早く早く!」
「ちょっと!待ちなさいよ!まずは準備運動でしょ!足攣るよ!」
双子は海に興奮して走りだし、咲蔵が追いかけていった。ちびっ子たちの追いかけっこ、なんか小学生に見えるのが不思議だなー
「ここに、パラソル挿す?」
「そうだな。」
「…………」
「…………」
黙々とスコップで穴を掘るワンコとパラソルを持って待機する六万寺。この二人が合わさると無言になるから面白い。俺も手伝うとするか。
「僕も穴掘り手伝うよぉ~」
「……助かる」
「ん!こ、れスコップ」
「ありがと~」
穴が十分な深さになったらパラソルを挿して埋めて固める。倒れると危ないからな。よーく固めよう。後はみんなでレジャーシートを敷いたり荷物を置いたりして完成。横を見ると会長たちがテントをいくつか立てていた。それ、暑くない?
「かんせーかなぁ、二人は海に遊びに行っていいよぉ」
「ああ」
「ん…椿は?」
「僕ぅ?ここでみんなを眺めとくよぉ~」
「もしかして、腕……んーん、なんでもない」
「あははぁ、気を遣わせちゃったねぇ。でもまぁ、気が向いたらそっちに行くよぉ」
「わかった」
俺は今水着を着ているが海に入るつもりはない。鬘濡れるのやだし。なので上にワイシャツを羽織っていた。チャラ男なので前は閉めてません。色気は無いと思うけど、別に面倒になったからではない。ないったらない。もう一度言う、面倒になったからではない!
いったい誰に言い訳しているのかはさておき、パラソルの下に設置したビーチチェアに寝っ転がる。あーいいなこれ。自分の荷物からペットボトルを取り出して飲んだ。
「おーおー満喫してるねぇ」
「あーホストせんせーだぁ~」
「誰がホストだ!」
「だったらその見た目を直しなよぉ」
「そうですよ、ホスト先生。生徒の情操教育に悪いので帰って着替えてきてください」
「嫌に決まってんだろ。お前こそジャラジャラつけまくったアクセを取れ。視界がウザい。」
「何言ってるんですか、見なさいこの輝きを。この美の集大成を!」
「へーへー」
やって来たのは我らが生徒会の顧問のホスト先生と風紀委員の顧問の織川 創輝だった。この二人の関係はこの学園に在学していた時からあって、当時は生徒会長と風紀委員長をやっていたらしい。今は丸く(?)なったらしいけど、学生時代の時はバッチバチに争っていたらしい。代々仲悪いからな生徒会と風紀。
……俺はどっちもどっちだと思う。
「ホスト先生はぁ、その色気を仕舞ってくださ~い、キモイのでぇ~キラキラ先生はぁ、太陽光が反射してぇ眩しいだけなのでぇ、どっかにそれ、捨ててきてください。」
「どうやって仕舞えと、というか出してねぇよ。」
「最後真顔でしたね、捨てる気はありませんので我慢してください。」
だったら視界に入ってこないでほしい。マジで眩しい。
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