平和な日常

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しばらく流される映像を楽しんだ後、PCをしまい、木から飛び降りて廊下を歩いて行く。今は朝のホームルームの時間なので人はいない。 その静寂が下りている空間を一人で歩き、何処とでもなくさまよう。幅広く、長い道。壁に取り付けられている細かく装飾されている窓から漏れ出る陽の光が、高い天井にある見るものをも魅了させる美しい絵を照らしている。床には絨毯が敷かれていて、足音がでることはない。 「わっ…!?」 「……ッ!?」 なので気が抜けていた椿は道の角で誰かとぶつかってしまった。その衝撃で後ろに倒れそうになり、痛みに備えるが、背中を支えられて倒れることはなかった。椿は相手は誰なのかと思わず閉じていた眼を開けると 「大丈夫か」 焦った。 「うん~大丈夫だよぉ。そっちこそ大丈夫~?風紀委員長さん☆」 ――夏屋川 永遠(なつやがわ とわ) ぶつかった相手はまさかの風紀委員長だった。この学園は王道学園よろしく権力を持つ者が理事長などの大人を抜くと、生徒会と風紀委員会の二つの組織になる。だが、何故か代々生徒会長と風紀委員長は家の意向もあるが仲が悪く、それによりほかの役員たちも対立するので、生徒会と風紀委員会は常に争っているのだ。なので、学園の生徒たちの間では、生徒会と風紀が会ったら最低でも10mは離れろだのブリザードが吹くだの言われている。 「ああ、大丈夫だ。」 なのだが… 椿はそんなものを全く(まった)スルーしているので風紀委員とは仲は悪くない。むしろ良い。良いから… 「そうだ、風紀室に来ないか。椿を見たらうちのやつらがやる気を出して仕事がはかどるからな。茶も出してやる。」 隙あらば、風紀室に連れて行こうとするのだ。ほんとにやめてほしい。行ったら行ったでなかなか俺を返そうとしないし、生徒会の人たちにこのことがばれたらめんどくさいことになる。最もめんどくさいのが生徒会と風紀委員が鉢合わせすると、発生する会長と委員長の世間話という名のマウントの取り合いだ。その時にポロリとでも誰か風紀委員の口から出てきてみろ、その瞬間から大喧嘩になり周りの生徒は役員たちのブリザードに身を縮こませ、やがて生徒会と風紀委員会の顧問が出動してくるまで止まらないってことになるぞ。 というか、俺に言うんじゃなくて周りのかわいこちゃんに行ってほしい。それ、傍観しながらhshsしてるから。 ――――――――――――――――――――――――――――― 更新が遅れたので少し長めです。 改定前は物語が進んでから委員長を出していたのですが、今回は物語の内容の改編と、さらに密度を上げるため序盤に出しました。
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